今目指すべき、「企業活動」とは
コロナウイルスの感染拡大が2019年末から少しずつ広がり、2020年、誰も予測していないレベルでの大流行となりました。これはまさに人類全体にとっての試練であり、皆様におかれましても不安と葛藤しながら、この1年を過ごされてきたことと思います。
我々も今までは、「コロナウイルスに感染しない」ということを最優先事項として動いてきました。その背景には当社スタッフに対し、純粋に「かからないで欲しい」という思いがあるのはもちろん、感染者が出てしまうと会社の業務がストップしてしまう、社員の命を守るという意味でも営業機能を止めることは出来ないと考える部分が強くあり、これまで創意工夫をしながら経営を続けてきました。
私自身、経営者判断という観点からも、コロナウイルス感染拡大が深刻化したタイミングから、その後の緊急事態宣言発令、ステイホーム推進など、今まで何度か山を越えてきた印象でしたが、感染拡大の第三波と言われている今、また大きな山を迎えている気持ちです。
第三波が来た、と言われた始めた時期に、コプロシステムをどうしていくべきか、私自身とても悩みました。以前のように、本社へは基本出社せず、在宅勤務中心の体制に戻すべきか、それとも、これからの働き方を作る挑戦として最近始めていた「交代制での在宅勤務体制」を継続するべきか、というところで大きな意思決定が必要でした。
先日、経営者が集うとある協会の総会にて、会長が、「コロナウイルス感染拡大を受けて、総会をどうするか考えた時、やはり経済人としてコロナウイルスに向き合い、経済を動かすことに挑戦する意味でも総会を開催すべきと判断した。コロナウイルスに負けずに経済を動かしていくということが経営者の使命だと思っている。」という内容をお話しされていました。私は非常に共感し、やはり我々は経済を動かすという軸を持ちながら、コロナウイルスとどう向き合っていくべきかを考える段階に入ってきているのだと確信しました。
考えた末、自分たちで感染しないよう気をつけながら、やるべきことをやるタイミングに来ていると認識し、交代制での在宅勤務体制を継続するという決断の中、今日まで業務を続けています。
ただし、これからの過程においても、引き続き自己管理を徹底することは、もちろん非常に重要だと考えています。当社でも、出社体制含め、色々なものをフレキシブルにしてきています。電車が混んでいる時間帯の出勤・退勤は避けるなど、各自が会社の制度を使いながら、自分の意志で感染しないように工夫しながら、業務を全うして欲しいと強く願っています。
今後の可能性
2020年は経済活動も大きく変わってきていると感じています。特に、様々なオンライン化を受け、グローバルチャンスが増えてきていると思うのです。現地に行かなくてもアプローチが可能で、バーチャルで色々な事項を決めて行こうという空気になってきています。
経済活動の方法が変わっていく中、会社全体として、そして一人一人としても、自分が担当しているビジネス領域において、何かチャンスがあるのではないかと考えながら、自分たちがやるべきことを模索するべき時期に来ていると感じています。来年に向けて模索し、来年はそれを実行していく年にしていきたいのです。
これまで何度かお伝えしている通り、来場管理ソリューションQ-PASSは、当社が提供してきたマーケティング領域のみに留まらず、教育や人事の世界でもオンライン研修のプラットフォームとして使っていただける方向へシフトしてきました。これも我々が挑戦していることのひとつです。
「人の集まる所の管理・運営」を軸として、Q-PASSをプラットフォームとしてより幅広い領域で使っていただこうと挑戦してきている訳ですが、これ以外にもっと可能性があるのではないかと思っています。その可能性を組み立て、新しいビジネスチャンスをつかんでいくことが大切なのです。
我々が主体の2021年へ
2020年を振り返った時、コロナウイルスに振り回されて色々なものが動いてきた一年だったと感じます。しかし来年からは、コロナウイルスの感染リスクを受け止めながら、“我々がメイン”で動いていく一年にする、という発想の転換が重要になります。
今後、感染拡大前の生活に戻って行けるのか具体的には分からない中、私達は今の生活環境を当たり前と認識した上で、主軸をコロナウイルスから自分たちへ戻した生活へ踏み出すことが必要なのではないでしょうか。
もちろん当社へもコロナウイルスの影響はありました。この事態がなければもっと伸びていたかもしれないと思う商材・領域もあり、私自身、未だに方向性について迷いを感じることもあります。
しかし、Q-PASSの持つ領域を例にしても、きっかけがなければこれからも利用用途はリアル開催の展示会のみだったかもしれない中、この事態を受け、広がりを見せた部分があるのも事実です。従来やってきたミャンマーコミュニティ(MJCSN)の運営に関しても、オンラインを前提とした運営という、新たな挑戦の機会となりました。
一方で、変化という部分にフォーカスして振り返った時、コロナウイルス感染拡大は、いわゆる「外的要因」です。しかし、人や物が変化するには、同時に「内的要因」も必要で、それは何かというと、「今まで積み重ねてきたこと」なのではないかと考えます。
大きな外的変化があったからこそ、我々が積み重ねてきたことに対して様々な気付きを得て、これまでと違った局面を作り始めることが出来たのだと思っています。やり方によっては色々なチャンスが広がり始めているような気がするのです。
決して楽ではなく非常に厳しい状況に置かれている今、もう一度立ち上がっていく。そのためには今まで以上に市場にアプローチをしていく意気込みが必要です。エネルギーをもって取り組んでいかないと、新しい試みも出来ず、世の中から役割を得られないと思います。
ここはシビアに認識した上で、我々は来る2021年も新たな挑戦をしながら、将来に向け力をつけていきたいと思います。
(代表取締役社長 金田 浩邦)