このブログは、前編・後編の2部構成となっております
前編はこちら:コロナウイルス感染拡大を受け、経営者として今思うこと【前編】
テレワークから考える、あるべき働き方
先日、他の企業に勤めている友人から興味深い話を聞きました。彼女は今のようにテレワークで勤務する人が増える前から長期にわたり在宅勤務をしているのですが、いろいろと問題が多いと話しており、主に以下3つについて共有をしてくれました。
① 集中力の維持が難しい
物理的に制限されず、なおかつ自宅という環境での業務進行は、出社して業務にあたる勤務形態に比べ、集中力を持続させることが非常に困難。
② 遠隔での業務中のコミュニケーションが少なくなる
ずっと自宅にて1人で仕事をしているため、以前に比べ業務中の会話が減り、コミュニケーションを取ることが難しく感じる。話すことを忘れた様な気持ちになる。(現にその友人は私との会話に対し、「久しぶりに人と話した」と言って喜んでいる程でした)
③ 将来に対して不安を感じる
この様な勤務形態となっている現状に対し、ふとした時に、「この先自分はどうなってしまうのだろうか…」という不安を抱いてしまいがちになる。
弊社でも、可能な部分から在宅勤務を取り入れるようになって1か月程が経ちました。上記のような内容はやはり課題として挙がりやすい印象です。
今後、働く場所・働く時間などの自由度が高まっていくと、これまでの様に物理的にオン・オフの切り替えをしていくことが難しくなるのではないかと思っています。それと同時に我々が従来の就業規則に沿って働く、つまり、かつて会社に出社しての勤務を前提としていた頃に設けたルールのままで働くということが、必ずしも正解ではなくなってくる可能性があると感じているのです。
例えば在宅勤務中に、まだ幼い自分の子供が泣きついて来たとして、「仕事中だから後にしなさい」と伝える訳にはいかないシーンもあるだろうと思います。
ご家族と共に生活している社員にとって、在宅勤務にて出社時同様の時間配分で業務をこなすことは、時として難しい場面もあるはずで、それは自然なことです。
私は、仕事というものは本来であれば「この場所で、何時から何時まで働く」という風に決めずに、人それぞれ自分の裁量でできることが一番だとも思うのです。少なくとも、テレワークという働き方を選んでいく上で、社員一人ひとりに対し、「自分自身で目標を決め、その目標を自分で決めた時間の中でやり切ること」が非常に重要になってくると考えています。
人が働く目的
先述の通り、友人は「将来への不安が浮かんでしまう」ことを問題点として挙げていました。人間は一人では生きていけない生き物です。誰とも話さずに仕事をしていると、どうしても不安になったり不調になったりするのは当然で、これはとても難しい部分であると感じます。
今回の様な大きな事象があり、改めて「人は何のために働くのか」ということを考えた時、私は、誰しも「幸せに生きていくため」に働いているのではないかと考えます。これは多くのみなさまにとっても共感いただける部分なのではないでしょうか?極端な話かもしれませんが、これは原始時代に代表されるような文明が無かった時代(男性は狩りへ行き、女性は子供や家を守る役割を担っていた時代)から変わらないように感じるのです。人は大昔から、一人ひとりが充実した生活を送るために働いて来ました。
現在に当てはめて考えても、24時間のうち一番多くの時間を仕事に割いている人がほとんどかと思います。だからこそ、私はいつも社員に「どんなことがしたいのか?」と聞くようにしています。彼らが「やりたいこと」に、多くの時間を使って欲しいと思っているのです。
“アフターコロナ”へ向かっていく
私は、在宅勤務を余儀無くされている現状を受け、「目先のことだけではなく、もっと先のこと」を意識的に考えるよう、社内に呼びかけています。我々一人ひとりが、このテレワーク並びに世界的な自粛期間を、世の中が大きく変わっていくために“準備をする期間”として捉えていく必要があるのです。「会社から言われたから在宅勤務をし、会社から言われた仕事をする」というのは、出社し勤務していた頃とは状況が変わってしまった今、今後更に継続性のない働き方になっていくと思っています。
一人ひとりが、自分たちには将来への希望があるのだということを忘れずに、「自分が何かを切り開いていこう!」という気持ちで仕事をしていくことが、大変重要だと考えています。
当社では、コロナウイルス感染拡大収束後も、テレワークのスタイルを元に戻さない方針を検討しています。なぜなら、我々自身がバーチャルの中で仕事をし、円滑にコミュニケーションを取れる様になっていくことは、今後オンライン化が進んでいく中で、お客様へ新たなソリューションの提案していくための必須条件であると考えているためです。
時代が変革した後の未来を見据え試行錯誤しながら、新たな働き方に対する研究を重ねていきたい。その価値があると信じ、お客様に対する価値提供のため、我々は挑戦を続けていきます。
(代表取締役社長 金田 浩邦)