ある大学の先生から伺ったのですが、大学での講義に対し、最近では「オンライン講義の方が良い」という意見を持つ学生が全体の6割程を占めているとのことで、既に多くの学生がバーチャルな環境に慣れて来ている状況があるそうです。ただしその一方で、教える側の立場としては「生徒とリアルでも向き合いたい」という思いがあるとのことでした。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、昨今世の中のバーチャルに向けた流れが加速していますが、バーチャルとリアルをどのように融合させるべきかというテーマが非常に重要視されていると同時に、既に世の中で考え始められています。
バーチャル化の持つ可能性
「イベントのオンライン化」と聞くと、リアル開催では出来たことが出来なくなってしまう、というマイナスのイメージが浮かびやすいかもしれませんが、イベントやセミナーをオンライン開催するメリットはいくつかあると思っています。
例えば一人一人の顔が見えるという点です。リアル開催では人数が多い場合、一人一人に目が行き届かない可能性がありますが、オンライン開催であれば、その心配はなくなります。また、映像録画や視聴ログの記録等、後からイベントの訴求効果がどのくらいだったのかを検証できるという点も特色だと思います。
当社は来場管理ソリューションQ-PASS(キューパス)を、今年始めより上記の効果測定機能等を搭載した上で、イベントをオンライン開催するためのプラットフォームとしてご提供していますが、今後幅広いコンテンツをQ-PASS上でどのように扱うと効果的なのかというテーマに関しても、ノウハウを蓄積した上で意見を持っていくことが次なるステップであると思っています。
バーチャルへのシフトは様々な領域に
昨今、イベントや研修だけでなく、営業方式も進化し、こちらもやはりバーチャルへのシフトが進んでいますが、これは当社の営業を通しても感じている点です。
各種サービスのランディングページからお問合せいただくところまではこれまで通りですが、その後まずはオンラインでお打合せの機会をいただき、クロージングの段階で初めて実際にお会いする、というケースが増えてきています。
営業行為の領域においても、引き続きクロージングをかけていく際のテクニック等、オンラインでの営業ノウハウも蓄積していきたいと考えています。
またアーティストの活動においてでも、やむを得ず有料ライブをオンラインで開催していくという傾向が強まって来ているようですが、私自身これは非常に良い流れであると感じています。
こういったジャンルは、今まで「箱物ビジネス」、つまりは、「会場が満員になったら売上に上限が出来てしまう」というビジネスであることが前提でしたが、今後バーチャルとリアルの融合によって、これまでの売上上限の考え方が変わっていくことになります。
更にバーチャルが優位に立てる技術、例えばライブ配信で観た方が臨場感を持てるような映像技術等が出来上がっていくと、より多方面で限界がなくなっていくと思うのです。そしてより多くの人々へ同じ空間やコンテンツを提供することが可能となっていくのではないかと思っています。
もちろんこれは、我々が挑戦を始めているセミナーや研修のオンライン化においても同じです。多くの人が聞きたいと思うスピーカーが来るものでも、バーチャルを取り入れればより多くの人へコンテンツとして提供していくことが可能になるのです。
オンライン開催に踏み切ろうと思った時、セキュリティや環境等、いくつかの問題を解決する必要はありますが、いずれにせよバーチャルとリアルの融合は、将来的により幅のあるサービスが実現できる可能性を秘めているということを、皆さんにもお分かりいただけたのではないかと思います。
コンテンツの提供へ
以前よりお話ししているミャンマー人向けコミュニティー(MJCSN)にて進行しているビジネススクールでのカリキュラム作成において、オンライン上から一方通行で受講者と向き合うという方式の中で、どのようなコンテンツをどのように伝えていくべきかという根本的な部分から、現在模索しつつ進行しています。
このように、我々は「コンテンツ」という領域において、今後現場の反応や状況を見ながら、組織として効果を都度研究し、ブラシュアップしていく必要があると考えています。
我々がコンテンツ提供に関するノウハウを蓄積したいと考えている理由は、将来的にお客様のコンテンツ作成をコンサルテーション出来るようになっていきたいというビジョンを実現するためです。
このチャレンジに関しても、「人が集まる所の管理・運営」という、創業当時から我々が得意としてきている部分が出発点となっていますが、更にこれからは、人が集まる所に「効果」を残していきたいと考えています。
当社サービスのQ-PASSに関しては、バーチャルとリアルを融合できる‟配信プラットフォーム“の提供までに留まらず、そこに載せるコンテンツの効果を最大限に引き出せるよう、お客様側でのコンテンツ作成時点からコンサルテーションしていきたいのです。人が集まる所の管理・運営のその先、つまりはその場所を盛り上げていくにはどうしたら良いのか、お客様と共に考えていく我々となっていくことが理想です。
多種多様な挑戦の中で、それぞれの領域においてコプログループとしてノウハウを積んでいくことで、リアルで行うこと・バーチャルで行うことの双方の視点を持ち、皆さまへより効果的なサポートが出来る姿を目指し、日々邁進して参ります。
(代表取締役社長 金田 浩邦)